【概要】
作者の吾妻ひでおさんの失踪体験を漫画化したノンフィクションです。「夜を歩く」「街を歩く」「アル中病棟」の3つのエピソードが収録されています。
そうとうにヘヴィな失踪体験、アル中病棟での体験が描かれています。明るいトーンで進行していますが、拾ったテンプラ油や畑から盗んだ大根で飢えをしのいだり、自殺未遂をしたり、アル中で幻覚を見たりといったエピソードなど、リアルな迫力があります。非常に生々しいです。
ただ感心するのは、それほどまでに生々しく厳しい失踪体験談が延々と続くんですけど、本当に読んでいてツラくなるような描き方をしておらず、主人公(=吾妻さん本人)の表情は終始ノホホンとお気楽で、娯楽作品として楽しく読めるようになっているところです。これについては、あまりに厳しくツライ描写をあえて避けて描いたんだそうです。
それから、漫画ではなくエッセイ形式にまとめられた「逃亡日記」という本も合わせて読むとより楽しめると思います。
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