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漫画と本を真面目にレビュー

私の読んだおすすめ漫画と本の感想を真面目にコツコツ書きためます。

ストッパー毒島(ハロルド作石)

「BECK」などの代表作で知られるハロルド作石さんの本格プロ野球漫画です。

【ストーリー】
破天荒な剛球投手の主人公、毒島大広はそのあまりの破天荒さから野球部への入部すら認められず、さらに乱闘事件によって高校をも退学処分に。しかし、パ・リーグの「お荷物球団」と言われる弱小チーム・京浜アスレチックスのスカウトの目にとまり、ドラフト会議で指名され入団する。その後の彼の成長と活躍とシンクロするように、弱小チーム・アスレチックスの快進撃が始まる。

90年代中ごろの作品で、舞台となるのもその頃のパ・リーグです。当時のパ・リーグの個性的な実在の選手も数多く登場します。イチロー、伊良部、などのスター選手はもちろんですが、堀や初芝などの渋い選手も数多く登場するあたりが、ハロルド作石さんの”野球愛”が感じられます。プロ野球ファンなら思わずニヤリとさせられる楽しい仕掛けがたっぷり隠されていますから、ストーリー以外にもそういった部分でも大いに楽しめます。漫画同様にプロ野球も大好きな私としてはまさにストライクの作品です。

肝心のストーリー部分も、主人公毒島の選手としての成長と、チームの躍進の様子が丁寧かつダイナミックに描かれていて、引き込まれるものになっています。最終巻のクライマックスは、野球漫画史上に残ると言える最高の盛り上がりです。

特筆すべき点は野球のプレーシーンの絵のカッコ良さです。水島新司さんの野球漫画の絵もカッコいいですけど、この漫画ではまた違ったアプローチです。キレイでスマートな絵なんですが、独特のダイナミックさとスピード感が素晴らしいです。

チームメイトの脇役キャラクターも個性的で、実在の選手をモデルにしているような選手もたくさん登場しますから特に野球ファンにはこたえられないものになっています。個人的にはセカンドの三條のファンです。


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ストッパー毒島(7)
ストッパー毒島(8)
ストッパー毒島(9)
ストッパー毒島(10)

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無頼伝 涯(福本伸行)

「天」「カイジ」シリーズなどのギャンブル漫画の大家、福本伸行さんの作品です。

【ストーリー】
殺人の濡れ衣を着せられた天涯孤独な少年「涯」。逃亡の末に投降した涯は、離島に建設された更生施設とは名ばかりの実質監獄のような「人間学園」に入所、そして脱獄と無実の証明へ向けて奮闘する。

福本伸行さんお得意の悪漢ヒーローものの中でも異彩を放っています。無実の罪を着せられた主人公涯の逃亡シーンというスリル、スピード感あふれるアクションシーンから始まり、「人間学園」への入所、脱獄とテンポよく展開していきますが、間々に彼が現在の境遇に至ったエピソードや冤罪の詳細が挿入され、徐々に事件の全貌が開かされていきます。

また、福本さんの真骨頂ですけど悪役キャラの「ヤなヤツ感」が素晴らしいです。悪趣味、変態を描かせたらこの人はまさに天才的です。それだけに主人公の活躍に対するカタルシス感が一層増幅します。

物語のテンポのよさと、コミックス全5巻というコンパクトなボリュームによって、気軽に一気に読めてしまう作品ですが、内容が濃く凝縮されていますから、決して物足りなさを残しません。福本作品の中でも特におすすめ度の高い作品になっています。