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漫画と本を真面目にレビュー

私の読んだおすすめ漫画と本の感想を真面目にコツコツ書きためます。

真っ向勝負のスローカーブ(星野伸之)

阪急(オリックス)と阪神で活躍した星野伸之さんの野球人生を自らつづった野球ファンにおすすめの一冊です。

130キロに満たない遅い直球とスローカーブ、フォークだけでプロ野球通算176勝、2041奪三振を記録した”細腕の大エース”星野伸之さん。彼の独特の野球観、投球理論、名打者との勝負の回顧など、プロの第一線で長年活躍した選手ならではの視点で詳細に語られています。

元々プロ野球好きでしかも星野投手の大ファンであった私にとってはバイブルのような本です。豪腕、剛球で打者をキリキリ舞いさせるようないわゆる正統派の本格派投手とは違って星野投手は遅い直球とスローカーブを中心に打者の裏をかく投球を身上としていました。しかし、ただの”軟投派”という投手ではなかったことがよくわかる本です。タマは遅くとも、自身を本格派だと思っていたそうです。

投球理論も独特です。理想の配球でカッコ良く打者を打ち取るのが投手の理想であろうと思えるのですが、星野投手の場合は「結果オーライOK」「打ち取った当たりでもアウトにできなければ意味がない」「行き当たりばったりの配球」などと、ちょっと意外に思えるような記述が見て取れます。ただしこれは言うまでもなく適当でいいかげんな投球というわけではなく、さすが個性派の大エースという理論と自信に基づいたものである事もわかります。

こういった深い深い内容の野球論から、ブライアント、松井秀喜、秦真司、落合博光、らとの印象深い対戦の回顧記事なども実に面白いです。さらに元チームメイトのイチローや長谷川滋利とのエピソードなど、盛りだくさんの内容となっています。


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